ドーパミンの音学レポート

音楽の勉強を記録

転調

曲のキー(調性)が、別のキーへ移行することを転調という。

転調には大きく、一時的転調と本格的転調の2種類に分けられる。

転調先の冒頭がトニックでなくても良い。

 

 

関係調

主調に関係が近いキーを近親調と呼び、スムーズに転調を行うことができる。

逆に関係調以外のキー(遠隔調)への転調は、転調感が強まる。

 

 

 

近親調の種類

 

同主調

同一のトニック(主音)を持つ長調短調

 

平行調

同一の調合によって示される長調短調

 

属調

主調のドミナント(第5音)をトニックとする調

 

下属調

主調のサブドミナント(第4音)をトニックとする調

 

属調平行調

 

下属調平行調

 

 

転調の手法

 

ドミナントモーション 

 

新しいキーのドミナント7thを転調部に置くことで、スムーズに転調できる。

また、トゥーファイブ化することでよりスムーズに転調したり、

置換えドミナントを使うことで多彩なアプローチができる。

 

 

・ピボットコードを使った転調

 

ピボッドコードとは、現在のキーと転調しようとするキーの両方に含まれるコードを指すもの。

この共通のダイアトニックコードを転調の架け橋として活用することでスムーズに転調できる。

このピボットコードを使った転調をエンハーモニック転調と呼ぶ。

 

 

・テンションを使った調整コントロール

 

次のキーに転調を予感をさせるテンションを加えることで調性をコントロールする。

 

 

 ・偽終止からの転調

ドミナントモーションからトニックの代理コードに終止し、

そのまま転調する。

 

 

・連続Ⅱm7-Ⅴ7による転調

目的のキーまでドミナントモーションを連続してアプローチする方法。

キーによってはその道のりが長くなってしまうため、各コードの共通音やテンションをうまく使って断層感のないメロディを心がける。

また、置換えドミナントを使うとルートが半音下行しながら転調することが出来る。

 

 ・サブドミナントマイナーを使った転調

サブドミナントマイナーから同主調へスムーズに転調が出来る。

また、代理コードも複数ある為、様々なパターンが試せる。

その他、トゥーファイブ代理コードの連続使用など。。。

 

 

・平行和音を使った転調

Ⅱm7→Ⅲm7→Ⅳm7などの半音順次進行や、短3度ずつ上行させたり様々なパターンが考えられる。

 

 

・突然転調

終盤のサビ繰り返しなどで使われる突発的な半音や全音上げなど。

また、

Ⅱm7→♭Ⅲ△7

など短3度でいきなり転調もできる。

より効果的な突然転調には3度系6度系などの遠隔調を使うと、ダイアトニックスケール上の共通音が少ないので良い。

ペダルポイント

あるコード進行の中に、一定の保持音を加えることを「ペダルポイント」と呼ぶ。

低音部では「ベースペダルポイント」

高音部では「ソプラノペダルポイント」がある。

 

 

ベースペダルポイント

ベースに使われるペダルポイントとしては、そのコード進行の調性上のトニック、あるいはドミナントがよく使われる。

 

 

ソプラノペダルポイント

 

ストリングスパートが定番。

トニックまたはドミナントの他にも、2nd3rdの音なども使える。

テンションの様々な活用

・アドリブ

アドリブやメロディを奏でながらプレイする際は、左手でコードを押さえる。

右手のフレーズに相槌を打つようなタイミングで入れたり、シンコペーションを生かし、軽やかなリズムでアクセントをつけるのがポイント。

音域は低過ぎず高過ぎず、右手のフレーズやメロディとの兼ね合いに気を付ける。

 

 

 

 

・両手を使ったボイシング

左手で押さえてる音はなるべく右手に重複させない。

右手は2ボイスの4度音程5度音程等でサウンドに広がりを持たせる。

ドミナント7thコードのテンションボイシング

ドミナント7thコードには数多くのテンションが使用できるが、まず9th系と13th系ボイシングから考えてみる。

この2つのテンションをそれぞれ扱ったボイシングの一定の形は

 

・3ノートの場合

 

Aフォーム(3、7、9)

Bフォーム(7、3、13)

 

 

A,Bどちらもトップボイスがテンションになり、それを半音移動させるとオルタードテンションになる。

 

・4ノートの場合

 

Aフォーム(3、13、7、9)

Bフォーム(7、9、3、13)

 

この4ノートのボイシングは内声部にテンションを入れたものだが、

これも半音移動によりオルタードテンションになる。

ただし、Bフォームの場合、内声に♯9thを持ってくると3度と半音でぶつかってしまいあまりいい響きにならない。

どのフォームを選ぶかは、前後のコードボイシングの流れによって判断していく。

一つのフォームを覚えたら、左手のルートを裏コードのルートに変えると、

裏コードのテンションボイシングになる。

 

 

 

・♯11thのテンションボイシング

 

ドミナント7thコードに♯11thを用いたテンションボイシングは基本的にメジャーコードでの考え方と同じ。

隣接する3度を省略するかどうか適宜判断する。

これも9th,♯11th,13thを組み合わせるとアッパーストラクチャートライアドが作られる。

 

マイナーコード系のテンションボイシング

・9thのテンションボイシング

 

マイナー7thコードには、頻繁に9thが使われる。

9thを効果的に含ませたボイシングスタイルには2つの一定の形がある。

 

Aフォーム(3、5、7、9)

Bフォーム(7、9、3、5)

 

 

・11thのテンションボイシング

11thを含ませたボイシングは、基本的にには隣接する3度を省略する。

C7sus4型と同じニュアンスになる。

意図的に3度と11thをぶつけるのもアリ。

また、11thの下に9thをサポートすると、

Ⅰm7(9,11)=Ⅴm7/Cといったニュアンスになる。

 

 

 

・マイナー7th(♭5)コードのテンションボイシング

m7(♭5)型のコードでテンションとなる音は、基本的には11thと♭13thで、(次にドミナント7thコードを経由して)メジャーコードに解決するような場合では9thも認められる。

汎用的なテンションボイシングとなるのは、基本的に11thを用いたものであり、この場合も隣接する3度を省略するのが普通である。

♭13thを含むテンションボイシングはあまり使われない。

メジャーコード系のテンションボイシング

・9thのテンションボイシング

メジャー7th系のテンションは9th,♯11th,13thの3種類が使われるが、最も頻繁に使われるのは9thである。

 

右手が(3・5・7・9)

  (7・9・3・5)

 

の二つのスタイルを覚えると良い。

場合によっては5度を省略するのもあり。

 

 

 

・add9のボイシング

7度は弾かない。

 

右手が(1・2・3・5)

 

3度9度全音でぶつけるのがミソ。

 

マイナートライアドも7度は弾かず、短3度と9度を半音でぶつける。

 

 

 

 

・♯11,13thのテンションボイシング

♯11thを効果的に鳴らすために、隣接する3度を省略することがあるが好みやサウンドによって使い分けることが良い。

 

♯11thは9thや13thをともなって使われることが多く、この3つのテンションを組み合わせるとトライアドが作られる形となり、

「アッパーストラクチャートライアド」と呼ぶ。

 

13thボイシングに含ませる場合は、隣接する7度とのぶつかりに注意する。

13th系を使った特徴的なコードとして、6-9(シックスナイン)がある。

6(13th)、9を4度で積み上げるボイシングが一般的。

 

右手が(3、6、9)

   (3、5、6、9)

   (6、9、5)